無菌培養

15年ほど前、社宅住まいの時に無菌培養に始めて挑戦しました。その時に、交配したのはファレノプシスとシランでした。
交配〜無菌培養〜順化の初期段階までは、失敗もなく順調に進んだのを覚えています。
無菌培養までは、毎日管理できましたので良かったのですが、順化からは実家の温室に入れていましたので、私自身が
帰省した月2回程度の管理以外は親に任せていましたので、少しずつ枯れていきました。その時の設備は、圧力釜や食
品が入ったビン等で熱帯魚の設備等を利用して、無菌培養に挑戦したように記憶しています。ランの種子が寒天の上で
緑色(プロトコーム)になってきた時は感激しました。
今度は、最終段階の開花まで挑戦してみようと思います。

1.交 配
無菌培養 交配後、約6ケ月後の状態です。

平成12年12月25日受粉
LC.Nice Holiday 'Sun Topia'×C.Porcia 'Canizaro' AMRHS


平成13年1月15日受粉
LC.Nice Holiday 'Sun Topia'×(BLC.Pamela Hetherington 'Cavahqtion Faidago' × BLC.Herons Roon 'Grapeslant'
無菌培養 交配後、約4ケ月後の状態です。

平成13年2月7日受粉
(Paph.Maudiae 'Los Osos' AM AOS × Maudiae 'Show Time' )×Paph.delenatii


2.播 種







<はじめに>
 カトレアは、暑さのためでしょうか交配後190日目くらいで結実3個中の2個は鞘が割れてきました。播種の準備をしていなかったので、とりあえずエタノールで鞘の周囲を拭いて、エタノールを湿らせたテイッシュとアルミホイルで巻いて、ビニール袋に密閉した形で、冷凍室に2週間程度保存しました。
 準備が整った7月21日に播種することとしました。

<準備するもの>
@用具
 圧力釜(殺菌用)、フラスコ、培地用ビン(病院で使用している輸液用ビン)、試験管、白金耳、アルミホイル、天秤、アルコールランプ、ピンセット、カミソリ、リトマス紙、薬包紙等
A試薬等
 エタノール、滅菌水又は精製水、さらし粉
B培地
 寒天(粉末8g)、砂糖(20g)、ハイポネックス(3g)、滅菌水(1L)
<播種>
@鞘が裂果したもの
 カルキ液で3分間振とうし、消毒した種を試験管に入れ、精製水で1回洗浄したものを培地に播種しました。
A鞘が裂果していないもの
 鞘をエタノールで消毒して、アルコールランプで軽く焼き、カミソリで鞘を切り種を直接培地に落とし、精製水を少し加え種が均一になるようにしました。
<播種後の管理>
 鑑賞魚用の蛍光灯を使用して、培養しています。温度は適温が20〜25度なので、この時期は室内でも30度になるので、気にはなっているのですが、クーラーを付けっぱなしにも出来ませんし成り行きに任せています。
<滅菌水とカルキ液>
 滅菌水は、フラスコ等に水を入れて圧力釜で20分程度殺菌したもの。
 カルキ液は水140ccにさらし粉10gを加えて、上澄み液を同量の滅菌水で2倍に薄めたものです。

*培養の参考文献
 樹石社の洋蘭(古川仁朗/大場勝 著)
3.その後
播種後、約一ヶ月が:経過しましたが、暑さのせいか発芽していません。しかし、雑菌の繁殖も見られません。8月下旬
になって少しづつ涼しくなってきましたので、発芽の温度条件(20〜25度)に近づいてきました。
7月から8月にかけては、フラスコを置いている室温の最高が38度になる時も暫しありました。
寒天培地の上にブツブツしたものは確認できるのですが、緑色のプロトコームでもないようです。
消毒が強かった為種子が死滅(鞘が裂果していないのは、種子もカルキ処理してはいないのですが)したのか温度条
件により発芽していないのかは、もう少ししたら結果が出るのではないかと思います。
カトレア播種後、約二ヶ月が:経過しましたが、発芽していません。
やはり駄目だったのでしょうか。
パフィオがそろそろ、撒き時のようですので播種の準備しなければなりません。
パフィオの播種は培地に雑菌が入り、カビが生えました。失敗です。
カトレア播種後、約三ヶ月が:経過しましたが、発芽していません。これも失敗の様です。
どうも、夏場の高温かカルキの成分が完全に抜けていなかったかが原因と思われます。

次回、再度挑戦します。


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