フラグミペディウムの水耕栽培

その後の経過報告(奮闘記)

水耕栽培

2000年11月
フラグミペディウムを始めて購入する。購入先の宝塚市の大和農園さんを参考に鉢を置く通常の丸いトレーに水を張ったものの中に鉢を置き、栽培を開始しました。
水の腐敗を防ぐため毎日、霧吹きのノズルで新鮮な酸素と水を供給する。(冬場に向かっていたので、あまり心配する必要はなかったのでしょうが)
2000年12月〜2001年1月
毎日のノズルによる水と酸素の供給に疲れ、何か良い方法は無いものかとホームページを検索していたら、Dr.Tanakaのページに宇都宮市の生産農家の水耕栽培事例が紹介してありました。以前、熱帯魚を育てていましたので、早速、ホームセンターへ直行し、店員さんのお奨めもあり、現在のシステム(プライムパワー)を購入し、水耕栽培をはじめました。このときは、右図のように鉢をトレーに乗せていました。冬場のため、水替えと同時に清掃は1カ月に一回程度実施しました。
揚水量は9L/minのプライムパワー20を使用
2001年2月
鉢置きのトレーから、スノコへ変更し、鑑賞魚用のエアーポンプもセットし、鉢底へ酸素の供給と鉢底を水が流れるように工夫をしました。
また、取水側の吸入口にろ過材を置きました。
冬場のため、清掃は1カ月に一回程度実施しました。
なお、水の取替えは、一週間に一度だけ、排水口をあけながら、ホースから新しい水を入れ替える様にしました。水道水は冷たいので、一時間程度、水温が安定するのを待ってから、清掃のため上げていた鉢を入れました。
青子の除去材とカルキを取るための除去剤を入れる

2001年3月
気候も春に近づくにつれ、暖かい日が多くなり、水槽内のスノコや水槽の回りに汚れが多くなりだした。
水槽の清掃と水替えも一週間に一回位と多くなりました。
カルキを取るための除去剤が強かったのか判りませんが、Phrag. caudatum var.gigaunteum の葉の一部分が真っ白く脱色してしまいました。
カルキ除去材はストップしましたので、現在は緑の濃い葉が出てきました。大和農園の園主の話では、心配は無いとの事でした。
2001年4月
排水口のろ過材を取り除いたら、2〜3週間程度は、汚れが来なくなりました。(水の流れが良くなったせいでしょうか)夏場に向けて、水の循環をもっと大きくするためにろ過システムを揚水量が15L/minのプライムパワー30へ変更ミックスコンポストに青子が多かったのと化粧鉢の底の穴が小さかったので、購入時の植え替えから半年程度しか経過していなかったのですが、思い切ってプラ鉢へ植え替えを実施しました。写真のとおり購入時は根が弱っていたのが、 根鉢も出来、白い元気な根が沢山出ています。芽も特に元気が良い親木からは、4本も出てくるようになりました。(根と株の写真は、何れもPhrag.Mem Dick Clementsですが、開花中にもかかわらず、芽も同時に発生して成長を続けています)
2001年5月
5月は4月に比べ、外気温は5度も上昇し、30度を超える日か4日ありました。
温室内も30度を超えた日が12日もありました
気温の上昇と共に、水温も25度くらいに上昇しています。

青子は出ていませんが、汚れが一週間したくらいで目立ち始めました。
水替えは、曇りや雨が晴天の合間にあったりすると二週間に一度ですが、晴天が続くと一週間に一度くらいで行わなければなりません
少しでも水槽(栽培容器)の水温を低くする為、水瓶の中にプライムパワーの本体を入れました。水槽(栽培容器)の水温は、水瓶に入れない場合は25度ですが、水瓶に入れた場合は23度まで低下しました。
真夏は、より以上の効果が期待できそうです
2001年6月
6月は前月比で外気温が最低で4度、最高で2度も上昇し、30度を超える日か11日もありました。
フラグミペディウムを栽培し始めて、始めての夏を迎えようとしています。本システムを使った水耕栽培の成果も試されようとしています。
日々の正確な水温を計るため外気温用のセンサを水槽の中に月末にセッティングしました。
水温は6月末の3日間のデータ平均ですが、温室内の温度と水温の比較ですが、最低がそれぞれ24.6/24.3(室温/水温)、最高が29.3/27.6(室温/水温)となっています。最低は0.3度の差ですが最高は1.7度の効果が出ています。(月末は夏日が続いたので、一ヶ月間の実平均は、もう少し下がるのかなと思います。7月上旬の一週間のデータでは水温が室温よりも5度低くなっている。)
2001年7月
7月19日やっと梅雨明け宣言、これから本格的な真夏日の連続がやってきます。
暑い中GrandeとSorcerer's Apprenticeが咲いています。
besseaeも咲いたのですが暑さのため良い色は出ませんでしたし、花は一週間で落下しました。
気になる室温と水温の差ですが平均で4.2度(室温の最高時38度の時、水温は32度)となり、システムによる循環により、最高値で6度近く水温を低く押さえられると言う良い結果が出ています。
この時期に冬から春咲きのGrandeが元気良く咲くのも、水温の差とかの結果ではないかと思います。
恐らく、受け皿による越水で栽培した場合は、受け皿の水温は室温とほぼ同じ温度でしょう。7月16日開花Phrag.Grande(caudatum "Mendarin" × longifolium "Giant")ペタルは7月16日に20cm、一週間後の7月20日に25cm 暑さの為か27cm止まり三週間で落花7月22日開花 三週間で落花Phrag.Sorcerer's Apprentice(sargentianum 'Roji' × longifolium 'Red Ropes')
2001年8月
今年の九州は酷暑でした。平均気温を昨年同月比ででみると、最低温度は変わりませんでしたが、最高温度は1.0度も高かったし、35.0度以上の日が18日間もありました。水瓶のお陰でしょうか外気温(35.8)と水温(28.4)も平均で7.4度の差が出ています。暑さからの消耗を少しでも和らげる為にrandeは4花、Sorcerer's Apprenticeは6花咲いたところで花柄を切りました。Sorcerer's Apprenticeは同時に3花咲いた期間もありました。水替えの周期も今の所、一週間に一度としています。
フラグミは順調に育っています。予防に心がけているせいか心配された軟腐病も発生していません。
2001年9月
9月に入っても酷暑が続き、中々温度が下がりません。昨年は20日過ぎてからは外気温が30度を割っていましたが、今年は30度以上の日が続いています。
水替えの周期は、二週間に一度へと変更しました。フラグミペディウムは順調に育っています。Phrag.longifolium var hincksianum"Fernbrook" × selfのシースが伸びてきました。
2001年10月
10月下旬に入ってやっと涼しくなりました。暖房も19日に開始しましたが、外気温が15度以下になった日も5日程度でした。besseaeのシースも伸びてきました。先月から水替えの周期は、二週間に一度へと変更していますが、水槽内の汚れも目立たなくなりました。
2001年11月
熊本は、霜が一回だけですがやっと降りました。しかし、外気温は20度以上になる日が10日ありました。温室の内張りをしたせいか、換気扇が回る日も多くなり温室内も29度になったりします。気温も安定してきたせいか、フラグミペディウムも夏ばてで弱った株が元気を取り戻してきました。
Phrag.longifolium var hincksianum"Fernbrook" × selが開花しています。 水換えと清掃は1カ月に一回程度実施するようにしました。【汚れは少し目立ちますが、問題無いと思われます】
2001年12月2002年1月
フラグミは順調に成長しています。
Phrag.longifolium var hincksianum"Fernbrook" × selは2番花が開花しています。besseaeとSaint Ouenのシースが伸びてきました。新芽の成長も早くなり始めました。
2002年2
フラグミペディウムは順調に成長しています。

カルキ等による、フラグミペディウムへの影響は出てはいないようですが、葉っぱにはカルキの結晶が付いています。カルキ等を除去するため、浄水器の使用を始めました。通常のホースにも脱着可能です。車の洗車にも使用しています。ランニングコストは1ヶ月1,000円です。試薬でも性能を確認しましたが、カルキは完全に除去されています。
2002年3・4月
 葉っぱに付いていたカルキの結晶が取れてきました。温度の上昇により、生育も早くなり始めています。最近、数鉢のフラグミペディウムを購入したのですが、以前から育てているものは購入したものより、株全体の緑が濃いのが歴然としています。宝塚の大和農園の園主が言っていましたがミネハグリーンの効果のようです。成長も通常のものより促進されているようです。
2002年6・7月
6月に開花したPhrag.Paul Engene Conroy(longifolium × wallisii)のペタルは28cm止まりでした。初花でしたので、来年に期待しています。
7月Phrag.Schlimii × czerwiakowianum(チェリーピンクから殆ど白の大輪を期待)も初花ですが、あと2〜3日で開花しそうです。
水槽の清掃は2週間に1度ですが、中間で一度〜二度くらい、水の入れ替えを行っています。
2003年2月
2002年11月30日以降、水替えを行っていませんが、特段の問題も発生していません。根も水槽の中に伸び出しています。強いていえば、水槽の中に藻が生えていることです。
 
2004年5月
2000年12月に水耕栽培を実施していらい、これまで元気な成長と毎年の開花と順調に育ってきましたが、効果は実証できました。しかし、温室の手狭と苗が大きくなりすぎるということから、今月で水耕栽培は終了しました。当初の鉢トレーによる栽培方法へ戻しました。

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