栽培方法
ここで紹介します『リカステの栽培方法は、私の経験などから栽培のコツや注意点とかを簡単にご紹介します。なお、栽培方法の詳細は、育てる場所などの環境により左右されますので、標準的な栽培方法は各文献が販売され詳しく掲載されていますので、そちらを参考に栽培にチャレンジ下さい。
                            
花壇ではチューリップが咲いています
リカステ属は地生又は半着生でアンデスなどの高地の涼しい環境に自生しています。大きな美しい三角形の花をつけることで知られ、花はロウ質で長く持ちます。株も特徴のある形をしていて、卵型のバルブの上に幅広の葉がついています。リカステは、栽培方法が異なる二つのタイプに分けられ、ひとつは葉のついたバルブから咲く常緑性のスキンネリー(skinneri)タイプで、もうひとつは葉の落ちたバルブから咲く落葉性のアロマチカ(aromatica)タイプです。人工交配属のアングロカステ(Angulocaste=Lycaste×Anguloa)の栽培は、その品種の交配に使われたリカステ側の親に準じます。

植え込み材料
素焼き鉢を使用し、コンポストはミズゴケが一般的な植え方です。鉢は二年目のバルブが鉢の縁にくるようなサイズのものを使用し、ミズゴケは硬めに植えた方が鉢内の乾湿のメリハリが良くなります。
2年くらい経つと、ミズゴケが古くなってきたり、コケが生えてきたりしますので、新しい鉢を使用して新鮮なミズゴケで植え替えてやります。
植え替えの適期は新芽の出るころで、たいていは春にあたります。コンポストは小粒サイズがよく用いられ、バークとパーライトを3:1の割合で混ぜたものは、水はけもよく最適です。株分けする時は、バルブを最低2本つけるようにしましょう。リカステは複茎種のランですから、新芽が伸びてくる方向をなるべく広くあけて植えつけましょう。
温度 常緑種は安定した温度を好み、高温を嫌いますので、夜間(1115℃)、日中(2026℃)が最適です。落葉種は夏期は(35℃)、冬の休眠期には夜温(10℃)くらいまでの広範囲の温度に耐えます。
遮光 (温室が無い場合)
適当な光線量はタイプによって異なり、落葉種はカトレアと同じ位の光量を好みますが(遮光5070%位)、バルブが太ってくる秋の完熟期
には、強めの光線にあててがっちりと育てます。常緑種は、これより弱めの光線を好み、遮光(6080)が適当です。
秋〜春の太陽は南側に傾きますので、朝から夕方までは、南側レースカーテン越しの明るいところに置いてります。反対に夜の窓辺は冷えてきますので、部屋の中心に移動します。温風ヒーターやエアコンの風が当たる所は乾燥が激しいので避けます。(ワーディアンケースに入れると湿度が保てます)
(温室がある場合)
秋(秋雨には当てないようにビニールを張る)に最低温度が10℃を切る頃に温室に取り込みます。遮光は全て取り除き、二重ビニールの内張りをして保温効果を高めます。春の外気温が最低10℃を切らなくなったら、外に出します。梅雨明けぐらいまでは20%くらいの遮光にして、梅雨明けぐらいまでは50%くらいの遮光にして、梅雨が明けたら70%くらいにします。

(共通)
基本的には高山性が強いランですので、栽培環境は涼しくしてやります。夏は、庭がある家では70%くらい遮光下(樹木の下か人口の栽培場)で育てます。マンションや団地の場合はベランダでの栽培となり、コンクリートの照り返しで温度が異常に高くなりますので、下にスノコや人工芝を引いたりして温度の上昇を防ぎます。遮光も80%くらいにして、高温による葉焼けや株の消耗を少なくしてやります。
潅水 葉やバルブが育つ生長期(普通夏)には多くの水やりが必要で、コンポスト(ミズゴケ等の植え込み材)が乾き始めたころに、たっぷり与えます。落葉種は葉が落ちている時期、乾かしたままにしますが、常緑種はバルブ完成後、生長期よりも多少乾かしぎみくらいに水を与えます。水はなるべく朝に与え、病気を予防するために早く乾くようにしますが、新芽や葉の上から水をかけて水が溜まりやすい状態の時は腐りやすいので、上から水をかけない様にしましょう。 (割り箸を鉢に刺して、時々、箸を抜いて乾き具合をみながら水をやるのが安全です/乾いてから一日くらい間隔をあけてからやった方が良いでしょう)(バケツに漬けたりしているものを見かけますが、病気がうつりますので厳禁です)
肥料 油かすの固形肥料を春〜初夏にかけて月に1回(鉢の大きさで肥料の個数は違います)与えます。梅雨明け以降は固形肥料を止め、液肥を2,000倍くらいに薄めて週1回潅水を兼ねてやります。液肥は、濃度の高いものを一度やるよりも、濃度の薄いものを何回もやる方が根痛みしません。株の成長が止まったら肥料も不要となりますし、かえって根痛みしますので停止します。但し、元気な株は完成したバルブの根元から新芽が出てくる時がありますので、その場合は液肥の2,000倍を週1回与えます。
病気と薬剤 風通しを良くして適度な日光に当てれば耐病性も強くなります。最近は植物への無農薬栽培が流行っていますが、、どんなに栽培が上手でも病気は必ず出てきますので、予防を兼ねての消毒をお勧めします。アブラムシやダニが着くとウイルスを媒介し、大切な株を消却しなければならない羽目になります。又、ウイルス病予防の意味から使用する器具はビストロン(第三燐酸ソーダーの希釈液)で消毒するか、バーナーで焼いたものを冷ましてから使用します。植え替えの時に使用する鉢は、新しいものを使用し古いものは捨てましょう。

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