鉢・植え込み材料 | ミックスコンポストは、パフィオにはオールマイティな植え込み材料と言えます。ミズゴケに適しているものでも石材の比率を下げてバークの比率を上げる等により、水分の保留率を上げる事が可能です。同時に他のコンポストより水はけが良いので通気性も良く、水を多く要求する品種や少ない品種も水遣りの回数で簡単に操作が可能です。初心者にも安全なコンポストと言えます。亜属の説明でも書いていますように、中には花崗岩や石灰岩質の中に根を張り巡らしている品種もありますので、このコンポスト(石灰質のものを加える)でないと生育が好ましくない品種もあります。 ミックスコンポストの組合せに用いる成分は、@水分保持力の低い(水をはじく)成分、A水分保持力の強い(水を吸収する)成分、B腐敗物などの環境を悪化させる物質を吸収する成分を基本にしミックスします。@には石材(日向ボラ土、セラトン、焼赤玉土等)を使用します。Aにはバークやベラボン(ヤシ殻チップ)、パーライトなどがあります。Bにはチャコール(活性炭)、炭、ゼオライト、セラミックスの原石、オーキッド・ベース等があります。各植え込み材には色々なサイズに分けて市販されていますので、成株には大から中サイズ、中株には中から小サイズ、苗には小サイズなどと株の大きさで使い分けます。また、水やりの頻度が多い人は、Aの成分を少なめにし、@とBの成分の比率を多くしたり、大きめのサイズにしたりします。小さめの成分を使用するときは予想以上に水が停滞し、乾きにくいので注意が必要です。フラスコ出し直後の株や小苗等の株に最適です。株の消毒や植え替え後の管理は、ミズゴケ等に準じますが、植え替え直後は、水をタップリやって小さなクズを鉢底から流して下さい。 ミックスコンポストで植え替えたものは、時間が経過するにしたがってバーク等は腐って粉々になり鉢底から出ます。しかし、基本的に石材は腐りませんので、鉢の中の株が窮屈にならない限り次の植え替えは大丈夫ですが、肥料成分等が石に吸収されたり根鉢が出来るほど根が鉢内に張ってきますので、株の状態を見ながら植え替えます。ミックスコンポストの場合は、ミズゴケ等と違って、根に巻きつきませんので植え替えは簡単ですし、根を傷める確立が小さいといえます。 |
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遮光と温度 | 原種の場合は各品種の生育している環境を参考します。交配種の場合は、交配に用いられた原種を参考にします。低温種と高温種との交配の場合は、株がどちらの親の性格を強く継承しているかによって判断します。 様々な遮光材が市販されていますが、市松模様の遮光材は比較的風を通すのと、採光が均一でお奨めです。なお、遮光材は温室の外の屋根上に温室から30センチ以上は離して張ります。2重に張る場合は、二枚の遮光材は最低10センチ離して張ります。 ●亜属別の遮光率
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潅水 | パフィオは比較的に水を好みます。鉢内は決して乾かさないようにするが原則です。かといって、常に水が鉢内に滞留し空気の層が無いといった状態になると、根が腐れて最後は株も駄目になります。コンポストとコンポストの間に空間あって、空間の湿度により根が湿気を帯びている状態が生育にとってベストと言えます。 鉢の大きさ、コンポストの種類・粒の大きさ、鉢を置く場所(冬は暖房機の近くや上部に行くほど乾燥、日当たりや風通し)の違い、また、株の状態(生育が良いものは水を早く吸収するし、弱っている株は水をあまり吸収しない)でも違ってきます。 潅水は、季節の変化毎に水やりの周期を変更するのがベストでしょう。周期のおおまかな目安は、夏は2〜3日(暑い時は毎日)に一度、冬は一週間に一度くらいの頻度でしょうか。根に支障があるような株には、水を控えめにして発根を促すことも必要です。 水は、基本的にホースで株の上からタップリで良いです。冬は、水道水が冷たくなるので、温室内に貯め置きした水(20℃くらい)を与えます。軟腐病は、潅水の性ではなく、日頃の病害虫予防がされていない事や十分な通風がない事による原因です。ダニやカイガラムシ等が株に傷を付け、そこに水がかかり、病原体を水といっしょに傷口から浸透させてしまうから軟腐病等にかかってしまったと言う事になります。病害虫に対する予防が日頃から出来ていると、水やりも楽です。自然の状態では、雨は株の上から降っています。自然界は病害虫の天国です。病気にかかり駄目になる株もありますが、元気な株もあります。元気なものは害虫等の被害にあっていないためです。しかし、出来るだけ薬剤散布は避けて自然の状態にしたいという方や花が付いた鉢は、株の上から水やりせず一鉢毎に鉢に直接水をやることになります。 また、水やりをこまめにやる性格の人は、乾燥しやすい水はけの良いコンポストを使用し、逆に仕事が忙しくて、こまめにやれない人はミズゴケなどのコンポストやミックスコンポストならバーク等の比率を多くすると言った工夫により調整する方法もあります。 |
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肥料 | 肥料は株が生育していない時は控えめにして、生育している時は与えるというのが原則です。 環境にもよりますが、パフィオの場合は、機嫌が良いと一年中成長していますので、一週間に一度は薄い液肥を潅水と同時に与えます。 しかし、夜間温度を15度以下に保てない時は液肥も止めます。肥料には、固形(グリーンサムポット)と液体肥料を使用しています。固形肥料のグリーンサムポットは根にもやさしい成分を含んでおり、3〜4ヶ月に一度を目安に取替えます。 液肥には、窒素、リン、カリの三要素の他にマグネシウムなどの微量金属が含まれているものを使用します。葉の生育期には窒素窒素の比率が高いものを用います。花の開花に向かう秋にはリンの比率が大きいものを与えます。 指示された規定希釈のさらに2〜3倍に希釈したものを、週1〜2回与えるのが安全です。濃い肥料を時々与えるより、薄い肥料を頻繁に与える方が効果的です。規定希釈の5〜10倍くらいに希釈したものを、水やり毎に与えてもよいでしょう。しかし、安心といっても与えすぎは禁物です。 (病害虫の消毒については市販されている栽培専門書に詳しく解説してありますので、希釈濃度・期間・時期・組み合わせ等を間違えないように実施してください。) |
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病気と薬剤 | 風通しを良くして適度な日光に当てれば耐病性も強くなります。最近は植物への無農薬栽培が流行っていますが、、どんなに栽培が上手でも病気は必ず出てきますので、予防を兼ねての消毒をお勧めします。アブラムシやダニが着くとウイルスを媒介し、大切な株を消却しなければならない羽目になります。又、ウイルス病予防の意味から使用する器具はビストロン(第三燐酸ソーダーの希釈液)で消毒するか、バーナーで焼いたものを冷ましてから使用します。植え替えの時に使用する鉢は、新しいものを使用し古いものは捨てましょう。 |
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